Arch Linuxのインストール

2018年5月20日 2023年12月11日

この記事ではbtrfsでのArch Linuxのインストール方法を紹介します。

ArchWikiにもインストール方法が記載されていますが、btrfsでのインストール方法等、自分の希望の構成に完全にマッチしていないので、いつも調べながら、インストールしていました。

何度も同じことを調べるのも手間なので、この記事でbtrfs構成でのArch Linuxインストール方法をまとめます。

この記事を参考にしながらインストールすれば、調べる時間も短縮できますし、これから私と同じような構成でArch Linux のインストールを行う人の助けになれば嬉しいです。

インストールメディアの作成

Arch Linux のダウンロードページの日本のサーバからisoファイルをダウンロードし、ダウンロードしたisoファイルをCD-R(もしくはDVD-R)に焼きます。

これでインストールメディアの作成は完了です。

事前準備

Arch Linux の起動と自動ログイン

インストールメディアをPCに挿入して起動すると、以下の画面が表示されますので、Arch Linux archiso X86_64 UEFI CDを選択します。

初期画面

root ユーザーでログインされ、zshのシェルプロンプトが表示されます。

ログイン画面

キーボードレイアウトの変更

デフォルトのキーボードレイアウトは US キーボードなので、以下のコマンドを実行してJISキーボードに変更します。USキーボードを利用している方は実行不要です。

Terminal
loadkeys jp106

起動モードの確認

今回のインストール手順はUEFIモードを前提としています。UEFIモードとBIOSモードでは多少インストール手順が異なります。

インストールしたいパソコンがUEFIモードで起動しているかは、以下のコマンドを実行して、/sys/firmware/efi配下にefivarsディレクトリがあることを確認します。

Terminal
ls /sys/firmware/efi

# config_table efivars fw_platform_size fw_vendor runtime runtime-map systab

パーティションの作成

インストールデバイスの確認

lsblkコマンドで対象のデバイスを確認します。

Terminal
lsblk | grep -v 'rom\|loop\|airoot'

# NAME MAJ:MIN RM SIZE RO TYPE MOUNTPOINT
# sda    8:0    0   8G  0 disk

今回は上記の結果からデバイスは/dev/sdaにあることとします。デバイスを間違って指定してしまうと悲しい結果になりますので、インストール対象外のHDDやSDDはパソコンから外しておいたほうが良いかもしれません。

パーティションの作成

今回は、以下のパーティション構成とします。

パーティションサイズフォーマットマウントポイント
/dev/sda1512MBvfat/boot
/dev/sda2全部btrfs/

以下のコマンドで上記のパーティションを作成します。

Terminal
sgdisk -Z /dev/sda
sgdisk -o /dev/sda
sgdisk -n 1:0:+512M -t 1:ef00 /dev/sda
sgdisk -n 2:0: -t 2:8300 /dev/sda

パーティションのフォーマット

パーティションのフォーマットを以下のコマンドで実施します。

Terminal
mkfs.vfat -F32 /dev/sda1
mkfs.btrfs /dev/sda2

パーティションのマウント

フォーマットが完了しましたら、以下のコマンドで/dev/sda2を/mntディレクトリに、/dev/sda1を/mnt/bootディレクトリへマウントします。

Terminal
mount /dev/sda2 /mnt
mkdir /mnt/boot
mount /dev/sda1 /mnt/boot

Arch Linuxのインストール

baseシステム等のインストール

以下のコマンドでbase、base-devel, linux、linux-headers、linux-firmwareグループ、btrfsのユーティリティをインストールします。 併せて、後の設定用にvimもインストールしておきます。

Terminal
pacstrap /mnt base base-devel linux linux-headers linux-firmware btrfs-progs vim

fstabの作成

以下のコマンドを実行して fstab を生成します。

Terminal
genfstab -U /mnt >> /mnt/etc/fstab

chroot

以下のコマンドを実行して新しくインストールしたシステムにchrootします。

Terminal
arch-chroot /mnt

timezoneの設定

以下のコマンドを実行してtimezoneを日本に設定します。

Terminal
ln -sf /usr/share/zoneinfo/Asia/Tokyo /etc/localtime

併せて、以下のコマンドでハードウェアクロックを調整します。

Terminal
hwclock --systohc

localeの設定

/etc/locale.genを編集して、en_US.UTF UTF-8とja_JP.UTF UTF-8のコメントを解除します。

/etc/locale.gen
en_US.UTF-8.UTF-8
ja_JP.UTF-8.UTF-8

その後に、locale-genのコマンドを実行します。

Terminal
locale-gen

ロケールを /etc/locale.conf で設定します。

Terminal
echo LANG=en_US.UTF-8 > /etc/locale.conf

JISキーボードを使用している場合はJISキーボードを以下のコマンドでコンソールキーマップを設定します。

Terminal
echo KEYMAP=jp106 > /etc/vconsole.conf

hostnameの設定

以下のコマンドを実行してhostnameを設定します。以下の【ホストネーム】は設定したいhostnameに適宜変更してください。

Terminal
echo 【ホストネーム】 > /etc/hostname

同じhostnameを/etc/hostsにも記述します。

127.0.0.1	localhost
::1		localhost
127.0.1.1 【ホストネーム】.localdomain 【ホストネーム】

initramfs イメージの作成

以下のコマンドでinitramfsのイメージを作成します。

Terminal
mkinitcpio -P

rootパスワードの設定

以下のコマンドでrootパスワードを設定します。

Terminal
passwd

systemd-bootの設定

systemd-bootの追加

以下のコマンドでデフォルトブートエントリとして systemd-boot を追加します。

Terminal
bootctl install

systemd-bootの基本設定

/boot/loader/loader.confを以下のように編集します。

default arch.conf
timeout 4
console-mode max
editor no

PARTUUIDの確認

以下のコマンドを実行して、/dev/sda2のPARTUUIDを調べ、/boot/loader/entries/arch.confに追記します。

Terminal
blkid -o export /dev/sda2 | grep ^PARTUUID >> /boot/loader/entries/arch.conf

ブートエントリの追加

/boot/loader/entries/arch.confを以下のように編集します。

/boot/loader/entries/arch.conf
title Arch Linux
linux /vmlinuz-linux
initrd /initramfs-linux.img
options root=PARTUUID=【/dev/sda2のPARTUUID】 rw

マイクロコードのアップデート有効化

以下のコマンドで インテルCPUの場合はintel-ucode、amdCPUの場合はamd-ucodeパッケージをインストールします。

Terminal
# intel CPUの場合
pacman -S intel-ucode
# amd CPUの場合
pacman -S amd-ucode

/boot/loader/entries/arch.confを以下のように編集して、マイクロコードのアップデートを有効にします。

  • intel CPUの場合
/boot/loader/entries/arch.conf
title Arch Linux
Linux /vmlinuz-linux
initrd /intel-ucode.img
initrd /initramfs-linux.img
options root=PARTUUID=【/dev/sda2のPARTUUID】 rw
  • amd CPUの場合
/boot/loader/entries/arch.conf
title Arch Linux
Linux /vmlinuz-linux
initrd /amd-ucode.img
initrd /initramfs-linux.img
options root=PARTUUID=【/dev/sda2のPARTUUID】 rw

再起動

以上で、Arch Linuxのインストール自体は完了ですので、以下のコマンドで再起動します。

Terminal
exit
umount -R /mnt
reboot

インストールメディアを取り除いて、root アカウントと先ほど設定したパスワードで新しいシステムにログインします。

終わりに

この記事ではbtrfs構成のArch Linuxのインストール方法を紹介しました。

Arch Linuxのインストール手順は、UbuntuやCentOSと違い、複雑ですが、慣れると何を行っているのかが分かるようになり、勉強にはもってこいです。 上記手順でbtrfs構成のArch Linuxを作成できると思いますので、少しでも参考になれば嬉しいです。

Posted by mako
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