Arch Linuxの初期設定

2018年5月29日 2023年12月11日

この記事ではArch Linuxをサーバとして利用するための初期設定を紹介します。

サーバとして活用するならば、IPアドレスを固定化しておくことと、セキュリティの観点から作業用のユーザ(root以外)を作成しておくことの2点が必須となります。併せて、サーバ管理に必要なパッケージをインストールします。

IPアドレスの固定

サーバ用途で利用する場合は、IPアドレスが固定となっている必要がありますので、ネットワーク設定を管理するシステムデーモンであるsystemd-networkを利用して、IPアドレスを固定します。

必要なサービスの起動と有効化

以下のコマンドで、systemd-networkd を使用するための2つのサービスを起動し、有効化します。

Terminal
systemctl start systemd-networkd.service
systemctl start systemd-resolved.service
systemctl enable systemd-networkd.service
systemctl enable systemd-resolved.service

また、dhcpcdサービスを有効化していた場合は、以下のコマンドで停止の上、無効化します。

Terminal
systemctl stop dhcpcd.service
systemctl disable dhcpcd.service

サービスの設定

以下のコマンドを実行して、resolve.confの互換性のために、既存のファイルをリネームして、シンボリックリンクを作成します。

Terminal
mv /etc/resolv.conf /etc/resolv.conf.org
ln -s /run/systemd/resolve/resolv.conf /etc/resolv.conf

NICのデバイス名の確認

以下のコマンドでNICのデバイス名を確認します。ここでは、ens192がNICのデバイス名にあたります。

Terminal
networkctl list

# IDX LINK     TYPE       OPERATIONAL SETUP
#   1 lo       loopback   carrier     unmanaged
#   2 ens192   ether      routable    unmanaged

ネットワーク設定ファイルの作成

/etc/systemd/network/static.networkというファイルを作成して、以下のような形に編集します。

/etc/systemd/network/static.network
 [Match]
 Name=ens192

 [Address]
 Address=192.168.10.10/24

 [Network]
 DNS=192.168.10.254

 [Route]
 Gateway=192.168.10.254

ネットワーク設定ファイルのパラメータは多数ありますが、以下を設定しておけばとりあえず利用できますので、適宜自分のネットワーク環境に合わせて設定してください。

パラメータ内容
Name設定したいNICのデバイス名
AddressサーバのIPアドレス
DNSサーバが参照するDNSのIPアドレス
Gatewaryデフォルトゲートウェイ

サービスの再起動

以下のコマンドでサービスを再起動して、ネットワーク設定ファイルの設定を有効化します。

Terminal
systemctl restart systemd-networkd.service

以下のコマンドでIPアドレス情報を確認して、設定したIPアドレスになっていればIPアドレスの固定化が完了です。

Terminal
ip a

ユーザの作成

一般ユーザの作成

以下のコマンドを実行して、一般ユーザを作成します。【ユーザ名】は作成したいユーザ名にしてください。

Terminal
useradd -m -G wheel 【ユーザ名】

一般ユーザのパスワード設定

以下のコマンドを実行して、一般ユーザのパスワードを設定します。

Terminal
passwd 【ユーザ名】

sudoの設定

以下のコマンドを実行して、sudoコマンドをインストールします。

Terminal
pacman -S sudo

以下のコマンドを実行して、vimでsudoers fileを開きます。

Terminal
EDITOR=vim visudo

以下の行のコメントを外して保存します。

%wheel ALL=(ALL:ALL) ALL

上記の手順によって、作成した一般ユーザがsudoコマンドを利用可能となります。

今後は管理者権限が必要な作業は、rootアカウントで実施せずに、sudoコマンドを利用して一般ユーザから実施します。

各種パッケージのインストール

rootアカウントでログインしている場合は、ログアウトを行い、作成した一般ユーザでログインしてください。

以下のコマンドで、サーバ管理が便利になるgit、wget、manをインストールします。

Terminal
sudo pacman -S git wget man-db man-pages

終わりに

この記事ではIPアドレスの固定化及び作業用ユーザの作成方法、必要なパッケージのインストール方法を紹介しました。

ここまで設定が完了すると、Arch Linuxをサーバとして使用するスタートラインにたてたと思います。

次はサーバに対して、クライアント端末からリモートで作業ができるようにしますので、sshの基本設定を参考にしてもらえますと嬉しいです。

Posted by mako
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