Arch Linuxの初期設定
この記事ではArch Linuxをサーバとして利用するための初期設定を紹介します。
サーバとして活用するならば、IPアドレスを固定化しておくことと、セキュリティの観点から作業用のユーザ(root以外)を作成しておくことの2点が必須となります。併せて、サーバ管理に必要なパッケージをインストールします。
IPアドレスの固定
サーバ用途で利用する場合は、IPアドレスが固定となっている必要がありますので、ネットワーク設定を管理するシステムデーモンであるsystemd-networkを利用して、IPアドレスを固定します。
必要なサービスの起動と有効化
以下のコマンドで、systemd-networkd を使用するための2つのサービスを起動し、有効化します。
systemctl start systemd-networkd.service
systemctl start systemd-resolved.service
systemctl enable systemd-networkd.service
systemctl enable systemd-resolved.service
また、dhcpcdサービスを有効化していた場合は、以下のコマンドで停止の上、無効化します。
systemctl stop dhcpcd.service
systemctl disable dhcpcd.service
サービスの設定
以下のコマンドを実行して、resolve.confの互換性のために、既存のファイルをリネームして、シンボリックリンクを作成します。
mv /etc/resolv.conf /etc/resolv.conf.org
ln -s /run/systemd/resolve/resolv.conf /etc/resolv.conf
NICのデバイス名の確認
以下のコマンドでNICのデバイス名を確認します。ここでは、ens192がNICのデバイス名にあたります。
networkctl list
# IDX LINK TYPE OPERATIONAL SETUP
# 1 lo loopback carrier unmanaged
# 2 ens192 ether routable unmanaged
ネットワーク設定ファイルの作成
/etc/systemd/network/static.networkというファイルを作成して、以下のような形に編集します。
[Match]
Name=ens192
[Address]
Address=192.168.10.10/24
[Network]
DNS=192.168.10.254
[Route]
Gateway=192.168.10.254
ネットワーク設定ファイルのパラメータは多数ありますが、以下を設定しておけばとりあえず利用できますので、適宜自分のネットワーク環境に合わせて設定してください。
パラメータ | 内容 |
---|---|
Name | 設定したいNICのデバイス名 |
Address | サーバのIPアドレス |
DNS | サーバが参照するDNSのIPアドレス |
Gatewary | デフォルトゲートウェイ |
サービスの再起動
以下のコマンドでサービスを再起動して、ネットワーク設定ファイルの設定を有効化します。
systemctl restart systemd-networkd.service
以下のコマンドでIPアドレス情報を確認して、設定したIPアドレスになっていればIPアドレスの固定化が完了です。
ip a
ユーザの作成
一般ユーザの作成
以下のコマンドを実行して、一般ユーザを作成します。【ユーザ名】は作成したいユーザ名にしてください。
useradd -m -G wheel 【ユーザ名】
一般ユーザのパスワード設定
以下のコマンドを実行して、一般ユーザのパスワードを設定します。
passwd 【ユーザ名】
sudoの設定
以下のコマンドを実行して、sudoコマンドをインストールします。
pacman -S sudo
以下のコマンドを実行して、vimでsudoers fileを開きます。
EDITOR=vim visudo
以下の行のコメントを外して保存します。
%wheel ALL=(ALL:ALL) ALL
上記の手順によって、作成した一般ユーザがsudoコマンドを利用可能となります。
今後は管理者権限が必要な作業は、rootアカウントで実施せずに、sudoコマンドを利用して一般ユーザから実施します。
各種パッケージのインストール
rootアカウントでログインしている場合は、ログアウトを行い、作成した一般ユーザでログインしてください。
以下のコマンドで、サーバ管理が便利になるgit、wget、manをインストールします。
sudo pacman -S git wget man-db man-pages
終わりに
この記事ではIPアドレスの固定化及び作業用ユーザの作成方法、必要なパッケージのインストール方法を紹介しました。
ここまで設定が完了すると、Arch Linuxをサーバとして使用するスタートラインにたてたと思います。
次はサーバに対して、クライアント端末からリモートで作業ができるようにしますので、sshの基本設定を参考にしてもらえますと嬉しいです。